自動車の電動化という罠
- 2021/01/24
- 02:58
菅義偉総理、新車販売すべての電動車化は2035年までに行うと表明
https://response.jp/article/2021/01/19/342285.html
1月18日、菅義偉総理は施政方針演説で
「2035年までに、新車販売で電動車100%を実現いたします」と宣言した。
新車販売が認められるのは
HV,EV,PHEV,FCV
NGなのは、
ガソリン車、ディーゼル車、マイルドハイブリッド、マイクロハイブリッド
という。
燃料消費によるCO2排出量は関係ないのか?
極端な例だがレクサスLS600hは、ハイブリッドだけど7~8km/Lしか走らない
ヤリスなら純ガソリン車(1.5L)でも16km/Lは走る
同じ距離を走行した場合、当然 LS600hの方が多くCO2を排出する
いわゆるハイブリッド車の中でPHEV以外は、走るためのエネルギー生成を100% 化石燃料を燃やすことによって得ているのでCO2排出という観点でいうと純ガソリン車と何も変らない。むしろバッテリーやモーター、発電機を製造する上でのCO2排出量はガソリンエンジンだけの場合よりも多いとさえ言われている。
EVとPHEVでエネルギー補給を電気にした場合のCO2排出は、発電方式に依存する。日本で一番多い発電は化石燃料を燃やす火力発電である。
その割合は
石油8.7%、LNG39.8%、石炭32.3% 合計80.8% と偏っている
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2019html/2-1-4.html
震災前は原子力が約30%を占めていたため火力は60%だった
それよりも、このグラフで気になるのは、
バブル時代の1985年頃と今とで2倍にも発電量が膨れ上がっているという部分だ。
火力発電の比率が同じ割合だったとしても火力は2倍の量に増えるが、データを見て火力発電部分(石油、LNG、石炭)を抽出、比較すると2.5倍に増えている。仮に火力の発電効率が同じだとするとCO2排出量も2.5倍に増えている計算だ。
ブラウン管から液晶テレビ、冷蔵庫・エアコンのインバーター化、白熱電球からLED照明などなど、この20年で進化して省エネ化されていると思ったが、実態はそれ以上に電力を使う機器が増えたということなのだろう。
風力や太陽光発電など自然エネルギーを使って発電しても、このまま電力が伸び続ければ日本の発電においてCO2削減は無理であろう。当然、この電力をつかうEVがCO2削減に貢献することもできないし、森林を伐採してソーラーパネルを設置するなんてことはあってはならない
これはもう、発電量を1985年当時まで下げて、それ以上使われたときはブラックアウト(停電)が起きるくらい「使用する側が危機感をもって」電力削減を目指すべきではないだろうか。
ブラックアウトが起きたら使用する側が悪い
自動車の電動化を押し進めたところで、CO2削減に劇的な効果はないといえる
CO2を発生させる場所が自動車から発電所に移動するだけだ
1.火力発電所の発電量制限
2.自動車の燃料消費制限(車両重量やエンジン方式に関係なく純粋に燃料消費量のみ)
3.製造から廃棄までのサイクルを考慮したLCAでの環境負荷性能を求める
という三本柱でいかがだろうか。LCAは欧州で議論が始まっている
電力契約が「高い基本料」と「安い電力料金」という部分も改善の余地がある
基本料を限りなくゼロにして、使用量にリニアに課金させるべきである
昼夜を問わず、2倍使ったら2倍の料金を支払う
使用量を半減すれば、半額で済む
使用量ゼロなら、支払う必要なしだ
ここで自動車に話を戻すと
今こそ「1000kg以下」「1000~1600cc加給エンジン」「120~180馬力」という
パーフェクトなライトウェイトスポーツ車が復権するときであろう!
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